仮想通貨やブロックチェーンは金融業界をどのように変えるのか? 英格付け企業が将来性を語る

/ 3月 24, 2019/ NEWS

仮想通貨やブロックチェーンは金融業界をどのように変えるのか? 英格付け企業が将来性を語る
Weiss Ratings評価員が仮想通貨の未来を語る
Weiss Ratings仮想通貨格付け(Weiss Cryptocurrency Ratings)に勤める、計量経済学者であり数学者のJuan M. Villaverde氏は、「分散型台帳技術は、金融業界やトレードの方法を大きく変えるようなポテンシャルを秘めている」などと、それら技術の将来性を語った。

Weiss Ratings評価員が仮想通貨の未来を語る

Weiss Ratings仮想通貨格付け(Weiss Cryptocurrency Ratings)に勤める、計量経済学者であり数学者のJuan M. Villaverde氏は、仮想通貨メディアCryptoGlobeの取材に応じ、仮想通貨市場の将来などについて言及した。

同氏は、現在の仮想通貨市場に対して、「混沌としており、主要な仮想通貨取引所の大半は、機関投資家が参入するために必要とされる透明性が確保されていない」と指摘、一方で将来的には、仮想通貨市場の成熟とともに、いずれ機関投資家が参入する条件が整うだろうとする見解を明らかにした。

分散型台帳技術に関して

Villaverde氏は、「将来、仮想通貨が、法定通貨をベースとした既存の資産と同じように取引が行われるようになると思うか。」との問いに対して、以下のように答えている。

必要とされるツールは、まだ開発されていないと思うが、それでも絶対に可能だ。

伝統的なアセットと仮想通貨をシームレスに行うための鍵の一つに、「中央集権」がある。

既存の取引所は中央集権化されており、既存のサーバークライエントというインフラ構造と、仲介業者による複雑なウェブに依存している。

仮想通貨に関して言えば、そうしたシステムと同じ効率性を備えた、強固な分散型台帳技術が登場し、場所に関係なく、どこからでもインターネットを通じて簡単にマーケットに接続できるようなものが台頭するところを見たい。

(既存のアセットのような、仮想通貨のシームレスな取引を)実現させるためには、基本的なプロトコルや技術が発展する必要性がある。

そうした状況が生まれるまでには、まだ最低でも5年はかかるだろう。ただ、ビットコインのライトニング・ネットワークのような、ただセカンドレイヤーのプロトコルも鍵となっている。分散型台帳技術は、金融業界やトレードの方法を大きく変えるようなポテンシャルを秘めているが、まだその初期段階だ。

分散型台帳技術は現在のところ、既存の技術に比べると、スピードも遅く、効率も悪い。これは黎明期のインターネットにも言えることで、その技術が未熟だったころは、ろくに電話をすることもできなかったが、技術の進歩とともに、最終的には既存の電話技術にとって代わり、インターネットが音声によるコミュニケーションのプラットフォームとなった。

このように、仮想通貨・ブロックチェーン技術の発展はまだ追い付いていないが、いずれ成熟を迎え、広く使われるようになるだろうとの見立てを明らかとした。

ブロックチェーンのユースケースとは

「考えられるブロックチェーン技術の主なユースケースとは何か」との質問には、以下のように答えた。

私の考えでは、この技術は金融と取引の世界で大きな変革をもたらすと見ている。銀行業から取引にいたるすべてにおいて、取引可能な資産にブロックチェーン技術は大きな影響を与えるだろう。

コストダウンが見込まれ、最終的にはゼロにまで抑えられる可能性も考えられるため、株を発行するための障壁が下がるだろう。

借り手が貸し手と直接やりとりが出来るようなレンディングサービスや、現実世界のアセット(美術品や土地、貴金属など)を電子的な世界で広く扱うサービスなどが現れることも考えられる。

この技術が金融業界に与える変化はすごいものだ。買付選択権や土地の一部をボタン一つで、ものの数秒で売却できるような世界が訪れるかもしれない。

同氏は、上述したコンセプトは新しくはないものの、既存の技術と違って、DLTはそれらアイデアを実現することが可能だと強調した。

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