RippleやSBI出資の仮想通貨ウォレット、企業ブロックチェーン市場に参入 複数金融大手も注目

/ 1月 18, 2020/ NEWS

BRDが企業向けブロックチェーン市場に参入

仮想通貨ウォレット企業BRDは、企業向けブロックチェーンの市場に参入する。

BRDは米リップル社やSBIホールディングスが出資している企業。今回明らかになったベンチャービジネスは「Blockset」という名称で、銀行や金融サービス機関、コンサルタント会社などを対象にする。企業が低コストで迅速にブロックチェーンを導入できるように、即座に利用可能なツールを提供するという。

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BRDのマーケティング責任者Spencer Chen氏はTheBlockに対し、本ビジネスについて「ブロックチェーンプロジェクトに最も人材を雇用しているトップ15社の内の10社は仮想通貨企業ではない。IT大手のCisco、通信会社のVerizon、銀行業のJPモルガン・チェースらだ。Blocksetはこういった企業を狙っている」と説明している。

Chen氏はによると、SBIはBlocksetの最初の顧客である。Blocksetの構想はSBIから生まれたという。「我々のインフラをブロックチェーンと組み合わせて商品化するという話し合いを主導したのはSBIだ。SBI自身も事業のためにBlocksetを必要としている。企業向けブロックチェーンの市場へ参入する決め手になった」と語っている。

企業向けブロックチェーン市場

企業向けブロックチェーンのソリューションは、IT大手のIBM、コンサルタント企業アクセンチュアやKPMGなど多くの企業によってすでに提供されており、BRDは競争の激しい市場へ参入することになる。Chen氏は「Blocksetでは、そういった企業がコスト削減できるように協業する予定だ」と語っている。

そして「初めのうちは、そういった企業がシステム環境を維持するために必要なコストを削減したり、技術的なリソースを削減できるようなサポートを中心に行う」と言及。また、多くの企業がまだブロックチェーン事業にどのくらいのコストがかかるかを把握できていないと話す。「必要なコストを尋ねると、月に200(約2万2000円)ドルから10万ドル(約1100万円)という回答を聞くが、把握が難しいコストも数多く隠れている」と指摘した。

こういった背景を基に、Blocksetはコストを計算するシステムもリリースする予定だ。ブロックチェーン事業に実際にかかるコストを大企業が把握するのをサポートし、投資利益率を計算しやくなるようにするという。

名前は明かさなかったが、20超の金融大手企業がBlocksetに関心を示しているという。また3つの主なユースケースとして、カストディ、企業内のポートフォリオ管理、プライベートチェーン・パブリックチェーンの管理を挙げた。

 

BRDのCEOは、現在大手銀行の90%が仮想通貨に関心を示していると話す。当初ウォレット開発企業であるBRDは、大企業が仮想通貨アプリの利便性を高める取り組みもサポートし、ユーザーの数を増やしていくと語っている。

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